くさやには、脂気の少ない魚が適しています。
とはいえ、近年は昔ほど‘固干し’にしないくさやもつくられており、この場合
少々脂気がある魚のほうが美味です。
素材としてもっとも多く使われるのが、アジ科の‘ムロ’。
関東以南の海に棲む魚で、真ムロ(ムロアジ)、青ムロ、尾赤ムロ、赤背ムロの4種に分けられます。
このうち、塩焼きに適した赤背ムロ以外はほとんどが干物用です。
青ムロは、くさや御用達
ムロ一族の中で、銀色がかった青白色のスマートな魚、青ムロ。
色合いから白ムロとも呼ばれるこの魚の、もうひとつの別称が‘くさやムロ’です。
伊豆七島近海に多く棲み、脂肪が少ないためくさやには最適。
まさにくさやになるべく生まれてきたような魚といえます。
トビウオ、サメのくさやもあり
青ムロについで、くさやに向くのがムロアジ。
また尾赤ムロでもくさやはつくられるほか、生産量は少ないものの小アジや
小サバ、タカベ、イサキ等のくさやもあります
トビウオ、サメのくさやを絶讃する人もいます。
素材に合わせて、くさや液に漬け込む時間や乾燥のさせかたが異なります。